OLヨムコが新聞よむわよ

20代独身OLが新聞を読み比べます。

    こんにちは、新聞ヨムコです。趣味は新聞です。
    当ブログでは新聞の報道姿勢比較、事件を深く掘り下げ、はたまたくすっと笑えるような記事を紹介します。おもしろい記事はリツイートやシェアしてね!

    相互RSS・リンク募集しています


    人気ブログランキングへ

    タグ:イスラム国


    数次旅券1988年発行 表紙 / _files


    シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマン杉本祐一さんのパスポートを外務省が返納させたという事案。


    賛否両論が巻き上がるなか、11日までに産経、読売、毎日が社説で見解を出しました

    あれ朝日は??ちょっと遅れて出してくるのかしら


    ざっくりいうと 【【パスポート没収】産経・読売「妥当だ」 毎日「前例にしてはいけない」 】の続きを読む

    1423194903760


    2月6日の朝刊で朝日新聞と産経新聞がそれぞれの社説で「9条改正」ついてふれました。

    そして意見が真っ二つに割れました。(当たり前ですけどね・・・)

    5日の参院選予算院会で憲法改正に関する議論があり、各社が反応した。っという感じです。

    ざっくり説明すると

    産経新聞「国の責務として9条改正を最優先せよ」

    朝日新聞「憲法改正が必要かどうかの議論を飛ばして、各党に異論が少なく実現可能性の高いものから手をつけていくのは本末転倒」

    ちなみに読売新聞は「首相は憲法改正に急いでおらず、世論を見極める姿勢だ」と分析しています。

    【産経新聞】主張 9条改正を最優先せよ 「国の責務」全うする証しに

    ・・・ 改憲が具体的な政治日程にのぼったのは初めてだ。憲法改正を自らの歴史的使命と位置付けてきた首相の覚悟と決意の発露と受け止め、高く評価したい。

    ・・・ 憲法前文は「われらの安全と生存」の保持に言及しているが、それは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」を前提にしている。
     だが、この前提は成り立たない。過激組織「イスラム国」による残虐かつ卑劣なテロだけでなく、尖閣諸島周辺の日本領海侵犯をいまも常態化させ、力による奪取の構えをみせる中国の行動などを見れば、自明であろう

    ・・・9条改正への道筋は、日本が国際社会に積極関与する姿勢を、もっとも鮮明に示すものともなろう。
    【朝日新聞】社説 改正ありき本末転倒

     つまり、憲法改正の必要性から考えるのではなく、各党に異論が少なく、実現可能性の高いものから手をつけていこうというのだ。
     これが国の最高法規を改めるのにふさわしいやり方なのだろうか。社会や国際情勢の変化に伴い、憲法を変えるほうが国民の利益にかなうということはありえるだろう。そのときは国会で正面から論じ、国民投票に問えばよい。
     内容よりも改正のやりやすさを優先しようという運び方は、自主憲法制定を党是に掲げる自民党にとっては自然なことなのかもしれないが、本末転倒だと言わざるをえない。

     過激派組織「イスラム国」による人質事件はあまりに痛ましかった。しかし、再発防止などの対策を日本の平和主義の根幹である9条の改正に結びつける議論は、短絡に過ぎる。
    【読売新聞】 首相 憲法改正急がず 世論見極める姿勢

     安倍首相が、持論の憲法改正について、国民世論調査の動向を見極めに時間をかける姿勢を鮮明にしている。憲法改正の手続きを定めた96条改正への理解が広がらず、いったん封印した経緯があるためだ。長期政権を見据え、少なくとも来年の参院選では、会見の争点化を避ける方針だ

    ・・・自民党は今国会中に憲法審査会で項目の絞り込み作業に着手したい考えだが、野党には温度差がある。維新の党などは改正論議に前向きだが、民主党の岡田代表は安倍首相の下では論議に応じない意向を示している
    憲法改正もそうですが、気になるのは人質事件との関連性に関する意見

    産経が「イスラム国」の人質事件などを見る限り、憲法全文の前提が成り立たないのは明白、と主張する一方で
    朝日は人質事件と憲法改正を結びつけるのは短絡に過ぎるとしています
    朝日がいう短絡的というのは他に解決策を模索してから憲法9条と関連付けするべきってことかしら?


    結局人質事件って、イスラム国とかいう強意と対面したときに、日本は振りかざせるカードが少ないってことが問題なのかなと個人的には思っています

    そういう意味では今回の問題と9条は切っても切れない関係であって「短絡過ぎる」と楽観視している朝日こそ「短絡過ぎる」と思います。

    まぁ手順の問題もわかりますが、ある意味憲法改正は国民的にも煮詰まっている議論なのかと感じます。

    っというのもどう頑張っても左翼と右翼がわかり合える日はこないのだから、マジョリティーの意見を持って議論を進めていかないと、一生このジレンマの中で日本は国際社会で生きていくことになります。
    仮にも選挙は常時行っているので。

    「日本が世界に誇れる憲法」っというのもっともで、9条を大切にしたい気持ちがわかります。
    っというか残すことがやっぱり「理想的」でしょう。

    ただ国際社会を生きる中、現実的に考えると、9条は変えざるを得ないものです

    「いつまでも理想を語ってられない」ということを多くの国民は理解しているはずです

    結論をいえば朝日の社説こそ国民を混乱に陥らせており「本末転倒」です。

    1423027672258
    シリアなど危険な地域に入って取材している記者は、どのように安全を確認しているのですか。
     (兵庫県 自営業女性 40代)

     ■現地の当局や有力者の最新情報で判断

     内戦が続き、過激派組織「イスラム国」による支配地域が広がるシリアは、平和な日本に比べれば、はるかに危険度の高い地域です。ただ、危険度は場所によってかなり差があります。日本人人質事件のさなかに朝日新聞の記者が入った場所は「イスラム国」の支配地域ではなく、現在アサド政権やクルド人勢力が支配を確立した地域です。戦闘の最前線ではありません。
     北部の都市アレッポでは「イスラム国」の支配地域から来た住民らに接触し、「公開処刑」など支配の実態を伝えました。トルコ国境沿いのアインアルアラブ(クルド名コバニ)は「イスラム国」からクルド人勢力が奪還した直後で、戦闘の爪痕をAP通信、ロイター通信やトルコ国営放送などとともに、日本メディアとして初めて現場から報じました。いずれも記者が入らなければ伝えられない記事で、みなさまから大きな反響をいただきました。
     日本の外務省は、シリア全土を対象に渡航情報(危険情報)の中で最も厳しい「退避勧告」地域に指定しました。2012年3月以降、日本人外交官は退去しています。そんな場所で取材すべきかどうか。移動や取材の安全が高い確度で確保できること、ニュースの重要性があることなどを踏まえて、判断しています。
     治安状況は、外務省情報に加えて、現地当局や地元有力者の最新情報などをもとに検討し、現場に行く前に本社編集幹部が判断しています。その際、防弾チョッキなども状況に応じて持参します。
     特派員の多くは、英危機管理会社の危険地研修で誘拐や爆弾テロも想定した実地訓練を積んでいます。
     ただ、どんなに注意してもリスクはゼロにはなりませんそれでも取材をするのはなぜか。虐殺や人道被害では、現場で記者が取材することが真実にたどりつく限られた方法だからです。内戦下の人々の実態を知っていただくことは被害を抑止することにもつながると確信しています。
     今回の事件で、中東地域での取材の危険性はさらに高まったと受け止めています。報じることの重みを踏まえながら、慎重に判断していきます。

    朝日新聞(2月4日 朝刊 「RE:お答えします」 
    朝日新聞が外務省が「退避勧告」地域に指定しているシリア国内に記者を派遣していることに関する意見を載せました。

    「イスラム国」で人質が殺されてすぐあとに朝日記者がシリアに入っていたことが報道でわかりました。

    ただ社説で載せたわけではなく「RE:お答えしましょう」という読者の質問に記者が答えるという柔らかめのコーナーなので、そこまで激しく主張はしていないです。

    朝日の記者派遣に関しては読売が社説で軽く批判しています。産経新聞でも記事を掲載しています。

    朝日新聞の主張をざっくりまとめると以下です

    1.日本メディアとしては朝日がはじめてやでー。すごいやろー。

    2.治安状況は、外務省情報、現地当局、地元有力者の最新情報をもとに検討している。特派員の多くは英危機管理会社の危険研修で訓練。現場に行く際には防弾チョッキを持参することも。

    3.危険だけど取材するのは虐殺や人道被害では、現場で記者が取材することが真実にたどりつく限られた方法だから。内戦下の人々の実態を知っていただくことは被害を抑止することにもつながると確信している。


    ふむむむむむむ

    まー「安全対策してるよー」とか「やっぱ生のニュースだよね」ってのはわかった。

    でも私として気になるのは「もしつかまったらどうするの?」ってこと

    どんなにリスク管理しても相手はムチャクチャな組織で、狙われたらおしまいだと思う

    そうなったとき「自己責任」だけではすまないじゃない。国が動くのよ。

    ちなみに読売新聞さまは2/2の社説でこのように述べています。

    ◆自己責任にとどまらず
    ・・・
     ジャーナリストの後藤さんは昨年10月、退避勧告が出ていたシリアにあえて入国した後、「何か起こっても責任は私自身にある」とのメッセージを残していた。
     「自己責任」に言及したものだが、結果的に、日本政府だけでなく、ヨルダン政府など多くの関係者を巻き込み、本人一人の責任では済まない事態を招いたのは否定できない。
     同様の事態を避けるため、今後、危険地域への渡航には従来以上に慎重な判断が求められる。
     今回の事件により、日本人が海外で誘拐の標的となる危険が一層高まったことにも留意したい
     過激派組織にとっては、日本の軍事的報復を恐れる必要はない。日本に圧力をかけ、中東各国などに間接的に要求をのませる手法を再び使う可能性もある。
     安倍首相が在留邦人らの安全確保の強化を閣僚に指示したのは、こうした事情があるためだ。
    (読売新聞 社説)
    私としてはね、本当は、日本のメディアにどんどんシリアにいってほしい。生の声の日本のメディアが伝えてほしい。やっぱり日本の大企業だし、世界で活躍してほしい。
    でも今の日本の状況で行うのは疑問に思う。
    やっぱり朝日はもしつかまったら社としてどう対応するのか。というのをしっかり述べるべきだと思う。朝日の記者がつかまったら国民の血税で救出活動が行われるわけです。ただ会社のエゴだけでやるのはちょっとすじ違い。

    勿論、どっかの民兵と契約して独自の救出活動を行うとかなら全然いいと思うけど、それって朝日の論調と何か矛盾するものになならない?

    今の日本には軍事的バックアップがない。人質をとられたときに国として直接的な救済活動もできなければ、報復活動もできない。 


    結局は自己責任論では解決できなかった人質問題。

    交渉カードが少ない日本。交渉カードの一つともなりえる憲法改正を反対する朝日。

    それでも、つかまった場合の対応を方法も説明せずにシリア入りする朝日。


    朝日の行動に矛盾を感じてしまう。


    勿論戦争の悲惨さを伝えるのは反戦争につながると思うけど・・・
    でも朝日の行動はやっぱりおかしい。

    繰り返しになりますが、朝日はもし記者が人質に取られたときに会社としてどう対応するのか、国に何をお願いするのかを明示するべきだと思います。


    Fitz globe / Norman B. Leventhal Map Center at the BPL



    日本人人質殺害関連で海外識者、メディアの反応をまとめました。

    マーサ・クレンショー氏 米スタンフォード大学教授(政治学)
    ヨルダンへ圧力強化か
    「イスラム国」はヨルダン政府を同様させうことを狙っている。後藤さんを殺害していたとする映像を公開したのは、軍パイロットの解放を求めるヨルダンへの圧力を強めるためだったのではないか(読売新聞から)

    ユーグ・テレトレ氏 パリ第1大学教授(国際関係史)
    恐怖支配アジアに宣伝 
    「イスラム国が後藤さんを殺害したとするビデオ映像を公開した理由の一つには、恐怖で支配する組織の現実をアジアに宣伝する狙いがあったに違いない。注目したのは日本人の殺害予告がアジア諸国の関心を呼んだ点だ。(読売新聞から)

    ジェームズ・シェフ氏 カーネギー国際平和財団上級研究員(日米関係)
    掃討作戦 後退避けたい
    最悪の選択は、このような事態を受けて、イスラム国を掃討する取り組みから後戻りすることだ。手段は軍事力の行使だけではない。日本が地域で提供している援助は非常に重要で価値がある(読売新聞から)

    ジャン・アジュン氏 トルコ政策研究機関「SETA」研究員(国際政治)
    「イスラム国」より扇動的に
    イスラム国は、テロによって、欧米やアラブ諸国と力の均衡を得られると考えている。世界中のイスラム教徒の戦闘員や賛同者を集めるため、よる扇動的な方法をとっていくだろう (読売新聞から)

    ジョン・スウェンソン ライト氏 英王立国際問題研究所 アジア・プログラム長
    対テロで指導力を
    日本は1990年代に、オウム真理教によるテロを国内で経験した。2001年の米同時テロのような事件をどう予見し、対応するのか。日本にとって、大きな、そして未解決の課題といえる。
    日本におけるこうした安全保障を巡る議論がどうなるか、まだ判断するのは時期尚早だが、(議論を進めるためには)国民にとって不愉快なことでも、率直に語るリーダーシップが求められる。(読売新聞から)

    フセイン・バージュ氏 トルコ・中東工科大教授(国際関係論)
    トルコは影響力失っている
    一年前ならトルコは、後藤氏を救えただろうが、今はそれができない。トルコはすでに「イスラム国」についてテロ組織と明言した。それまで両者は、仲が良くも悪くもなかったが、この関係が終わった。(昨年6月にイラクのモスルでトルコ総領事ら)49人のトルコ人が「イスラム国」の人質になったときは救えたが、その後、トルコの態度は変わった(朝日新聞から)

    郭憲綱 氏 中国国際問題研究院副院長(中東研究)
    人質拘束の危険 中国も同じ
    中国人も海外にどんどん出て行っており、テロ組織に人質として拘束される危険性がますます高まっている。中国も同じ脅威に向き合っている。人類が最も危険で残忍なテロに直面するいま、日本は中国、国際社会と団結して協力していかなければいけない。日本と中国の間には歴史認識問題などの対立があるが、これらの問題を早く克服して早く反テロの分野で協力していくことが重要だ。(朝日新聞から)

    ブライアン・カトューリスさん 米「センター・フォー・アメリカン・プログレス」上級研究員
    団結の必要性 改めて示した
    今回の県で、私たちが「イスラム国」に対し団結を強める必要があることが改めて示された。
    日本政府の対応には、落ち度はなかったと思う。(朝日新聞から)

    トリックス氏 英紙「エコノミスト」
    後藤さんは普通のジャーナリストではなかった。彼の戦争取材の対象はどちらか勝ったか負けたかや、残虐行為、地政学的なものではなく、戦争に翻弄された人々、とりわけ子供たちの暮らしについてだった。(産経新聞から)
    ハビエル・エスピノサ 昨年解放のスペイン人記者
    イスラム国は絶望的なカルトにすぎないことを証明した。イスラム国の名を使った「国の創設」は単なるフィクションだ(産経新聞から)

    米ジャーナリスト団体
    恐怖の支配を拡大することしか考えていない。(産経新聞から)

    米CNNテレビ
    日本は衝撃的な凶報で目覚めた。ひどい(読売新聞から)

    英BBC
    世界が激怒している。日本は映像に怒りを募らせた(読売新聞から)

    仏紙フィガロ
    交渉しようとする日本政府の試みを無視し、イスラム国は脅しを実行に移した(読売新聞から)

    仏紙ル・モンド
    (イスアム国が)後藤さんを殺害すると脅してから、日本は(こうした結末を)ずっと恐れていた(読売新聞から)

     


    ISIL Flag / theglobalpanorama


    各新聞社の社説の要点をざっとまとめました。

    かなりざっくりくいうと

    産経「日本人冷静だった」 

    読売「自己責任だけではすまない」

    朝日・毎日・日経「政府の検証必要」


    これから色々追加していきます。

    毎日新聞 社説
    ◆時代錯誤の狂言集団
    ・・・そもそもISはそんなヨルダンの事情を承知で交換解放という「くせ球」を投げた可能性もある。親日・親米のヨルダンはISと戦う有志国連合の一員である。ヨルダンを揺さぶって有志国連合にくさびを打ち込み、あわよくばヨルダンを脱退させることもISは狙っていたようだ。
    ・・・ネットを通じて巧妙な広報活動を展開し、欧米主導の歴史と国際秩序に挑戦するようなイメージを強調して、世界各地の若者らを吸い寄せようとする。だが、実態を見れば、異教徒を容赦なく殺害し、女性は性奴隷として売り飛ばし、見境なく人質を取って身代金を奪う狂信的な集団に他ならない。世界16億人のイスラム社会の中で、悪性細胞のような存在だろう
    ◆政府対応の検証が必要
    ・・・この事件には不明な点が多い。政府は情報公開に努め、国会は政府対応も含めて事件の徹底した検証をすべきである。後藤さんの家族には昨年から身代金要求があり、これを政府も承知していた。にもかかわらず安倍首相が中東を歴訪し、ISと戦う国々に経済支援を表明した狙いは何だったのか。政府はヨルダンに頼るほか、救出へどんな方策を試みたのかなど、再発防止に向けた議論を尽くさなければならない。

    朝日新聞 社説
    ◆責任追及と処罰を
    ・・・国連の調査委員会が昨年まとめた報告書は、「イスラム国」による思想統制や女性への組織的な性暴力などの残酷な統治の実態を指摘し、戦争犯罪や人道に対する罪で司令官らを国際刑事裁判所(ICC)で訴追するよう促している。
     たやすいことではないだろう。それでも2人の日本人のほか、人質となった米国人、英国人が殺害された事件も含め、訴追と処罰を求める国際社会の圧力を高めていくべきだ。
    ◆政府の対応、検証を
     安倍首相らの国会などでの説明によると、湯川さんの拘束事件を受けて昨年8月に首相官邸に情報連絡室などを設置。11月には後藤さんの行方不明を把握し、政府が対応する事案に加えたという。
    ・・・今回の日本政府の対応について、菅官房長官はきのうの会見で「(「イスラム国」とは)接触しなかった」と述べた。それはなぜなのか。昨年、新設された政府の国家安全保障局は、どのように機能したか。
     同じ被害を繰り返さないためにも、政府は事実を最大限公表し、検証する責任がある。
    ◆互いを知り合う必要
    ・・・周辺の国々にはシリア、イラクから逃げる人たちがあふれ、欧州各国も含め、難民受け入れの負担が増している。今こそ日本政府が難民に門戸を広く開くときではないか。
     ほとんどのイスラム教徒は穏健で命を大切にする人たちだ。互いをもっと知り合う。そして必要な助けの手をさしのべる。
     悲劇を乗り越え、その原則を貫きたい。

    産経新聞 主張
    ◆覚悟を持つ社会の醸成を
    ・・・後藤さんと湯川さんが拘束された映像が流れたのは1月20日だった。ナイフを手にした男は身代金として2億ドル(約236億円)を日本政府に要求した。安倍首相が中東歴訪中に表明した、避難民に対する人道支援の額と同額である。
     金額の多寡に関係なく、これを受け入れるわけにはいかなかった。テロに屈すれば新たなテロを誘発する。身代金は次なるテロの資金となり、日本が脅迫に応じる国であると周知されれば日本人は必ずまた誘拐の標的になる。
     音声は日本政府を批判し、日本国民には政府に圧力をかけるよう要求した。これに呼応する形で国内の野党や一部メディアから同様の批判の声が相次いだが、日本の国民は冷静だった。
    ◆日本として責任果たせ
    ・・・安倍首相は改めて「日本がテロに屈することは決してない」と述べ、中東への人道支援をさらに拡充することを表明した。今後もイスラム諸国を含むテロと戦う国際社会と連携し、日本としての責任を果たさなくてはならない。

    読売新聞 社説
    ◆国際社会の結束不可欠
    ・・・そもそも国際ルールを無視し、虐殺、略奪、誘拐、占拠など、凶悪で非道な犯罪行為を重ねてきたのは、イスラム国である。
     イスラム国を封じ込めるには、国際社会の結束が欠かせない。米国主導の有志連合には約60か国が参加している。国連安全保障理事会も邦人人質事件に関し、イスラム国への非難声明を発表した。
    ◆自己責任にとどまらず
    ・・・ジャーナリストの後藤さんは昨年10月、退避勧告が出ていたシリアにあえて入国した後、 「何か起こっても責任は私自身にある」とのメッセージを残していた。
     「自己責任」に言及したものだが、結果的に、日本政府だけでなく、ヨルダン政府など多くの関係者を巻き込み、本人一人の責任では済まない事態を招いたのは否定できない。
     同様の事態を避けるため、今後、危険地域への渡航には従来以上に慎重な判断が求められる。
     今回の事件により、日本人が海外で誘拐の標的となる危険が一層高まったことにも留意したい。
    ◆邦人救出の議論も要る
     首相は、海外での邦人救出に自衛隊を活用するための法整備を検討する方針である。領域国による自衛隊受け入れの同意など、様々なハードルもあろう。政府・与党で議論を深めることが大切だ。

    日経新聞 社説
    ◆後藤さんの志を踏みにじる卑劣な犯行 
    ・・・後藤さんは弱者の目線に立ち、紛争地で苦しむ女性や子供の姿を世界に伝えてきた。ヨルダンを巻き込み、後藤さんの命を取引に使ったイスラム国は卑怯(ひきょう)としか言いようがない
    ・・・政府は後藤さんらの拘束情報を受けて昨年、非公表で対策本部を設置したという。事件は首相の中東訪問のタイミングが狙われた。どこまで状況を把握していたのか。解放に向けた交渉のルートは確保できていたのか。虚を突かれる前に点検すべきことがあったように思える。
     日本人がテロに遭う事態は今後も起こりうる。未然に防ぐ情報の収集と、国民が危険を回避するための適切な開示が欠かせない。 
    次に社説ではなくて新聞記者個人の意見です。

    毎日新聞 外信部長 海保真人
    ◆変わるテロどう対峙
    ・・・ISは対米憎悪を根に持つ狂信的暴力集団だ。それに世界の過激な若者が引き付けられている異常な状態を憂慮せねばならない。米国主導だった国際秩序を今後いかに維持するかは、世界の課題でもある。
     パリの街中でもテロは起きた。ISに感化された組織はアジアにも広がっている。世界を不穏な空気が覆う。変わるテロと過激主義。日本と世界が対峙する相手に、過去の経験則は通用しない。そこに今回の事件の真の恐ろしさがある。
    産経新聞 論絶副委員長 村上大介
    ◆過激思想の拡散 付きつけた脅威
    後藤健二さんらの解放を願う世界の多くのイスラム教徒が連帯の声を上げた。イスラム国にとって誤算だっただろう。この残虐非道な事件でただひとつ救いの点があったとすればこの点だ。

    このページのトップヘ